鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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  • 診療開始/午前9時30分〜

知っておきたい危険信号

眼結膜や口腔粘膜などの色がおかしい(粘膜の色調異常)

 粘膜の色調異常の多くは、血液の状態の異常に起因しています。通常、外から見える粘膜(可視粘膜と呼びます)は濃いピンク~赤色を呈していますが、白色(または薄いピンク)、黄色、または紫色を呈するときは異常と言えます。

 白色(または薄いピンク)を呈しているときは、通常よりも赤血球が少ない状態すなわち「貧血」とみなされます。貧血の要因には、出血、溶血(赤血球が破壊されること)または赤血球の産生障害などがあります。

 黄色を呈しているときは「黄疸」と呼ばれ、血中にビリルビン(別名:胆汁色素)が豊富に含まれている状態を意味しています。黄疸の要因には、溶血、肝疾患、胆道系疾患などが挙げられます。

 紫色を呈する場合は、血液中の酸素濃度が著しく低下していることが考えられ、一般に「チアノーゼ」と呼ばれます。この状態は、主として循環器疾患や呼吸器疾患の存在を意味します。

 粘膜の色調異常は、いずれも重篤な疾患が原因となっている可能性が十分に考えらえます。眼結膜や口腔粘膜の色調はご家庭でも簡単に確認することができますので、日常的にチェックしていただき上記のような色の異常を認めた場合には、速やかに受診することが推奨されます。