鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

  • 文字サイズ
  • ふつう
  • 大きい

0857-31-5441

  • 受付時間/午前9時〜11時、午後1時〜3時
  • 診療開始/午前9時30分〜

先端医療による治療例

白内障手術

 白内障は、眼の水晶体の一部もしくは全部が白く濁ってしまう病気です。このため、視界がぼやけて視力が低下し、最悪の場合には、失明をしてしまいます。この白内障は、遺伝的な原因による先天性の白内障(未熟白内障)や、病気や外傷、加齢による後天性白内障などがあります。白内障手術は、この水晶体の一部に小さな切れ込みを入れ、白濁した水晶体の中味を吸引する手術です。この手術は顕微鏡を用いて行ない、熟練した技術が必要ですので、獣医療でも行なう施設は限られています。この手術は、高齢の動物に対してはあまり適応ではなく、未熟白内障など若い動物に行なう手術になります。

 

症例:犬、トイ・プードル、雌、10歳、3kg

 近隣の動物病院で両眼未熟白内障と診断され、約4年間経過観察をしていました。最近ものにぶつかるなどの視力障害が重度になったため、本学動物医療センターを紹介されました。初診時は図1のように右眼は成熟白内障で、左眼は未熟白内障と診断しました。図2は術後翌日の右眼の状態です。挿入した人工レンズが観察できます。術後の視力回復の結果、動物の活動性は極めて活発になりました。

 

case01-1

図1.手術前

 

case01-2

図2.手術翌日