鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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知っておきたい危険信号

尿をうまくできない、排尿するときに痛がる、尿を垂れ流してしまう(排尿困難)

  尿は、腎臓で生成された後に尿管を経て、膀胱へと流れていきます。その後、膀胱内に十分量の尿が貯留すると、神経反射により膀胱が収縮し膀胱の出口が開き、尿が排出されます。この一連の行為が排尿と呼ばれます。尿をしたそうにするがうまくできない、排尿するときに痛がる、尿を垂れ流してしまうといった兆候は「排尿困難」と呼ばれ、排尿の過程で何らかの異常や障害を生じている可能性があります。

 尿がうまく排出できない場合は、尿路が物理的または機能的に狭窄・閉塞していることが原因となっている場合が多いです。物理的な要因には、周辺臓器(前立腺など)の腫大、尿路における腫瘍、尿路結石などの異物が挙げられます。特に、尿路結石の場合は犬猫共に雄での発生が多く、排尿時の痛みや血尿が同時にみられることがあります。また、機能的な要因には、神経障害により膀胱の出口がうまく開くことができないことに起因しており、多くは脊髄疾患によるものです。

 排尿する時に痛がる場合には、上記の尿路結石の他、尿路における炎症(特に膀胱炎)や腫瘍が原因として多くみられます。

 尿を垂れ流してしまう場合には、やはり神経障害によりうまく膀胱の出口が閉じることができないことが想定され、多くは脊髄疾患によるものです。なお、上記の通り、尿がうまく排出できない要因としても脊髄疾患が考えられますが、これらは脊髄のどの部位に障害を受けるかによって兆候が異なります。

 排尿困難は、それ自体がその個体のみではなくご家庭での管理などにも十分影響しますがが、その多くの原因疾患が腎不全を引き起こす可能性を有しています。そうなれば、問題は排尿に関することのみでは止まらず、全身的な影響を及ぼすことになりかねないため注意が必要です。