鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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  • 診療開始/午前9時30分〜

知っておきたい危険信号

四肢・全身が激しく震える(痙攣)

 犬や猫の軽度の震えは、体温低下時や緊張などでもみられ、多くが生理的な現象の一種とみなされます。しかし、激しい震えの場合は明らかに病的であり、「痙攣」と呼ばれます。痙攣の程度は様々であり、軽度であれば四肢など体の一部が震える程度ですが、重度になると全身が震えるのみならず意識が消失してしまう場合もあります。

 痙攣の原因は、神経組織の異常によるものとその他の要因によるものに大別されます。神経組織の異常では代表的なものが「てんかん」ですが、それ以外にも脳炎、髄膜炎、脳腫瘍が原因である場合もあります。特に、てんかんでは、多発する品種や家系があることが知られており、その場合、若齢から発症することもあります。また、その他の要因としては、低血糖、電解質異常、中毒などのほか、ヒトと同様に心因性(主としてストレス)のものもあります。このように、痙攣の原因は多岐にわたっている上に、症状のみでこれらを鑑別することは極めて困難ですので、MRI検査を含めた各種検査を行うことが推奨されます。