鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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TEL 0857-31-5441 受付時間/9:30〜11:30*、13:00〜15:00*「診療のご案内」で受付時間をご確認ください。

よくある病気

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは,背骨の間にあってクッションの役割をもつ椎間板という物質が,脊髄のある管状の空間(脊柱管)に飛び出してくることにより,脊髄にダメージを与える病気です。椎間板は元々柔らかく弾力性のある物質なのですが,「軟骨異栄養」という体質をもつダックス・フンドやコーギー,シー・ズー,ビーグルなどの犬では,成長とともに硬くなり,時にカルシウムが付着することによりクッション性がなくなります。この状態で,転んだり,滑ったり,また日常の運動(散歩)時でさえも,突然に症状が現れることになります。症状には個体差が大きいのですが,重症の場合には,起立・歩行ができない,排尿がコントロールできない(失禁,排尿困難),発症部位の痛みなどがみられます。動物病院では,血液検査やX線検査(脊髄造影)を用いて診断しますが,最近ではCT検査やMRI検査を用いることが一般的となっています。処置は軽症の場合には内科的治療(ステロイド剤,ビタミン剤)とケージレスト(なるべく体を動かない状態で安静にさせる方法)が有効ですが,重症では外科的治療(背骨を一部削って脊髄の下に飛び出した椎間板物質を取り去る)を行なうこととなります。椎間板ヘルニアでは随伴して脊髄軟化症という致死的な病気を起こすことがあり,その発生率は3~6%といわれています。残念ながら現在では有効な治療法がありません。最後に,椎間板ヘルニアになりやすい犬の飼い主は,日頃から転んだり,滑ったりすることを予防する環境を提供することが重要です。