鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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  • 診療開始/午前9時30分〜

よくある病気

白血病、リンパ腫

白血病は骨髄内に存在する造血細胞から発生する腫瘍性疾患で、その臨床経過より、急激に悪化し予後不良である急性白血病と緩徐に進行し予後も比較的良好であることが多い慢性白血病に大別されます。診断には骨髄・血液塗抹標本の鏡検による腫瘍細胞の検出や骨髄・血液サンプルを材料とした遺伝子検査(クローン性の解析)が有用です。

リンパ腫は実質臓器のリンパ球から発生する腫瘍性疾患で、腫瘍病巣が主座する部位により、多中心型、消化器型、皮膚型、胸腺型などに大別され多様な徴候を起こします。多中心型リンパ腫は全身のリンパ節の腫大が認められる他に、肝臓、脾臓、骨髄にも腫瘍細胞が浸潤することがあります。消化器型リンパ腫では嘔吐、下痢、血便、しぶりなどが認められます。皮膚型リンパ腫では皮膚に結節性病変や潰瘍を形成します。胸腺型リンパ腫では胸水貯留のため呼吸困難徴候が認められます。また、リンパ腫はリンパ組織以外に発生することもあり、中枢神経、眼、鼻腔、腎臓などに発生することが報告されています。猫では、猫白血病ウイルスと猫免疫不全ウイルスの重感染におけるリンパ腫の発生率は非感染動物の感染率よりも明らかに高いことが知られています。診断としては腫瘍組織・細胞サンプルを材料とした病理組織形態検査、細胞形態検査や腫瘍細胞を材料とした遺伝子検査(クローン性の解析)が有用です。リンパ腫は化学療法剤によく反応することから、多剤併用化学療法がしばしば用いられます。