鳥取大学 農学部附属 動物医療センター

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先端医療による治療例

オンコサーミア

 ラジオ波を用いた深部治療の理論とは、13.56MHzのラジオ波が周囲正常組織と比較して、腫瘍組織に流れやすいことを利用したものです。これは電気抵抗(インピーダンス)が正常組織と比べて腫瘍組織で低いことによるものです。そのため、組織内に電磁波を流すと腫瘍組織を選択的に加温、すなわち温熱効果が得られます。

 2001 年ハンガリーの Szasz らは既存の装置に改良を加えて13.56MHzのラジオ波を用いた非侵襲的温熱療法を開発し、 オンコサーミアと命名しました。

 2010年、Szasz らは新たに動物用オンコサーミアの開発を開始しました。昨年2月、彼らより獣医領域におけるオンコサーミアの有用性評価の依頼があり、実験的治療を開始しました。

 

症例:犬、コッカー・スパニエル、雄、8歳、18.7kg

 肢端部に腫瘍があり、病理検査の結果、悪性黒色腫と診断されました。初診時すでに肺に転移病巣ありました(図1)。

 週3回オンコサーミアによる治療実施。併せて低容量化学療法(カルボプラチン、80 mg/m2)を実施しました。計6回のオンコサーミアの実施により、ほぼ肺転移病巣は消失(図2)。その後1年経過しますが、再発はありません。

 

 以上の結果より、オンコサーミアは獣医領域でも有用であることが示唆されました。また化学療法等と併用する事により相乗効果が期待でき、獣医領域における切除不能な深部腫瘍の治療の一選択枝に発展するものと思われます。

 

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図1.初診時CT像

 

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図2.処置後2週間